8月20日~22日の三日間、宮城県亘理、大隈小学校への「サマースクール」へ行ってきました。
今年で三回目となりましたが、宇都宮大学の長谷川万由美先生による企画で、被災地でもある亘理町へ宇都宮大学生たちのボランティア活動、地域の再建活動を被災後より行っており、その一環で夏休み中の小学生との交流へ参加をしてきました。サマースクールはダンスのほかに、勉強の手伝い、自然を肌で感じるネイチャーゲームなど宇都宮大学の学生さんたちによるプログラムがいくつかあり、毎回ながらどれも子供たちの自主性を育成する目的で構成された素晴らしい内容です。
私は前回に引き続き、静岡で活動しているギタリスト、シンガーのマルケンさんと共に3日間で4回のダンスワークショップを行いました。
毎回見る顔ぶれもあり、元気そうで嬉しく思います。
今回のテーマは「見たことのない世界」。
マルケンさんとともに「見たことのない踊りを作ろう」とワークを考えました。
「見たことのない世界に住み、見たことのない姿をしている。その住人はどんな動きをするのか?」
子供たちに見たことのない町や場所と、どんな生き物がいるのかなど聞いて、まずはそれを字や絵に表し形にしていきます。そして見たことのない動きを子供たちが考えて創ります。その踊る音楽も子供たちの考えた世界のマルケンさんが歌詞にしてメロディーをつけるという贅沢な内容。「じゆうくうかん」という素晴らしい歌ができました。元気に走り回る子供たちがじっとおとなしく歌に聞き入っている姿は印象深いものです。自分たちの生み出したものが形になっていく作業はとても楽しい。
ストレッチ中走り回る男の子たちがいて、おそらくさんざん大人に注意をされている印象を受けます。しかしその衝動も自然な姿であり、走り回る理由があります。
人に迷惑をかけなければ構いません。その子たちは走り回る踊りです。素晴らしい躍動でした。書いた絵もとても個性的で、最後はその踊りで、全員のダンスに参加する姿はとても輝いていました。感想を聞くと、「楽しかった」「自由になれた」と繰り返し発言し、印象深く残ります。ワークショップは一期一会です。一度の経験の持つ尊さ、重さを改めて感じます。
海岸沿いは商業施設以外、人が住む家屋は立てられないとのことで閑散としていましたが、防波堤もコンクリートで固められて、全体的に一昨年に比べると津波の跡形をほぼ感じられないものとなっていました。
悲しみの記憶は、消したいと思うのが自然だと感じます。倒壊したものなど目にすれば、辛い記憶が蘇るのも人として当然です。震災の形跡が無くなる景色を見ると、周りが語り継ぐことの大切さを強く実感します。
作詞:逢隈小の子どもたち + 丸山研二郎
いちごのすきなモグラに 羽が生えた
アシカが空を とんでいる
夜中の学校には おじさんがいっぱい
ほら まほうの世界がやってくる
じゆくうかんはきみのにおい
じゆうくうかんはちょうちょの羽
ぐにゃぐにゃのまちは ロケットになって
お菓子のくるまが とんでいる
なんでもでてくる はんばいき
ほら みんなお菓子にかこまれている
じゆうくうかんはきみのにおい
じゆうくうかんはちょうちょの羽
ゆめいろころころ
作詞:アオキ裕キ + 丸山研二郎
なみだ なみだ あおいそら
ほのお ほのお あかい火だ
みどり みどり やさしくもえる
ごはん ごはん しろいほうせき
ゆめいろ ころころ
めだまも るるる
ひみつの ステップ
パラポラペペーイ
ゆめいろ ころころ
めだまも るるる
山より おもい
ボボボンガボーン