2012年2月12日日曜日

親のための「子供の踊り」について ~衝動~

先日2月10日、横浜寿町の保育園児の前で踊ってきました。
朝10時から始めるため自宅から1時間以上かけ石川町へ向かいました。
久々に通勤アワーに乗りましたが、やはり混んでいます。本当に会社勤めの方は凄いと思います。
向かった先は「寿福祉センター保育所」です。集まった子供達30人ほどでしょうか。とにかく想像以上にノリが良く、いろいろな動きや、小道具にことごとく反応し喜びます。とても良いお客さんです。いずれ映像を見せられるようにしたいと思います。生活保護受給者が、70パーセント以上占めるというこの地域のイメージですが、子供は皆可愛くて元気です。周りの環境で不自由になる子供がいるということは忘れてはなりません。

私自身いつも「衝動」を大切にしています。衝動とは「心が魅かれる」ことです。
子供たちが町で踊り、いずれそこの地区にいる生活保護を受けているおじさん達が踊る、もしくはその子供達が踊りを教えると面白いと思うことが衝動です。それらは私の心魅かれることであります。つまり正直に言えば良いことがしたいと思っているのではなく、ダンス芸術によって生まれるまだ見ていない世界が見たいのです。私のダンス遍歴は18才で踊りを習い始めて人前で踊ることに喜びを感じ、さらに大きな場所へとテーマパークで踊り、メディアで踊り、海外など舞台で踊り、現在に至ります。
とにかく衝動がどんどん変わりました。もちろん喜び、挫折や、飽きること、迷いは数多くありました。たどり着いた現在は一番お金にならないことですが、社会から逸脱してしまった人たちの感覚は自分自身の表現をも成長させる力でもあり、私の抱えるテーマを社会に伝えるためには必要な存在なのです。もちろんこれは私自身の衝動であり、他の人には押し付けるものではありません。

人は純粋なそのときの衝動をとにかく大切にすることが喜びの始まりだと思います。

子供達の純粋な衝動は、とにかくまずは「動きたい」そのものに尽きます。生まれて自分の身体に出会い、その身体が思い通りに歩いたり走ったりできることは、子供にとって強烈な喜びです。又自身の内側からとめどなく湧き出るエネルギーをとにかく動いて発散することが自然なのです。そして衝動は変化をしていきます。「動きたい」の先に行くのです。そこからはそれぞれの世界が広がります。

自分の内面(心)に素直になれることは、踊りに限らず人間には必要なことだと思います。

人間は他人を見て成長します。周りが魅力的に写りいろいろなことが良く見え、自分が解らなくなる事があります。でもそれはいろいろなものを吸収しようとする証であり、自分に必要でないものはいずれ大して気にならなくなるでしょう。しかしそれはいかに自分の内側(心)に素直になれるかで変わってきますが・・

つまり踊るということは自分の内側(心)に目を向けることに繋がります。お客さんの前に一人で立てば、全てが丸裸になります。嘘をつけばばれます。形だけではなく心も同じにすることが大切です。
つまり愛情の表現なのに、形だけ愛情の形をすれば良いだろうなんて考えでは、人の心をつかむことは程遠いでしょうし、お金を払った方に失礼です。(もちろんお金をもらって踊っていこうと思えばという話です。)つまり表現を突き詰めれば、おのずと自分の内面と向き合うしかありません。

他人を悪く言う人間であれば、愛情の表現を踊ることは難しいでしょう、その場合は3択です。
1、自身が他人に愛情を持てるように努力する
2、愛情の表現は止め、他人をおとしめる表現をみせる
3、ごまかして表面的に踊る。
私は2番目でも自身に素直であれば良いと思います。これは芸術として見たいと思います。3番目の選択は自身を一番苦しめることになりますし、その踊りに輝きは無いでしょう。良い人になれと言っているのではなく、自己と向き合って、自分をどうしたいかという意思を大切にすることなのです。

これは「自己と向き合う力」であり踊りの持つ要素の一つです。

踊りによって育まれるものは他にもかなりあります。
「ダンス技術」「肉体への可能性の挑戦」「健康保持」「リラクゼーション」「協調性」「コミュニケーション」「創造力」「想像力」「情操力」(感情豊かな心、優れたものに感動する心)「美意識」「性」(男性女性の骨格の差、踊りによる男女コミュニケーション)「異文化」(海外、外国人との違い、文化の違い、身体コミュニケーション)「解放」「伝達手段としての身体」他・・

それぞれの例は又そのうち触れられると良いですが、とにかく「人間成長」へと繋がるたくさんの要素があります。そして子供だけでなく、周りの環境、私自身や親も共に成長していく事が大切だとつくづく感じます。

人を理解することは大切です。通勤ラッシュは嫌ですが私にとっては時々乗るべきかもしれませんね。

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